外壁打診とアンカー

今回はアンカーについて紹介します。

 

〇アンカーとは

高所作業におけるアンカーとは、私たちの荷重をあずける「とりもと」のことを指します。アンカーを選ぶときには、人間一人分の荷重の10倍以上の強度を持っていることが最低条件と考えています。一般的には15kN以上のもとと言われます。張力計などでアンカーの強度を計ることもできますが、普段は使用しません。

 

〇セット方法

アンカーを選んだあとはウェビングやスリングなどをアンカーに巻き付けます。ウェビングとスリングの違いは長さと強度です。ウェビングは他のウェビングともつなげられるので自由自在に長さを変えることができますが、スリングは初めからループができていて長さが決まっています。強度はウェビング17.8kN、スリング23kNとスリングの方が強度は強いですが、どちらも基準以上の強度を持っています。

 

巻きつけ方にも種類があります。巻きつけ方により強度が異なりますが、高所作業のような一人分の荷重の場合は、シングルループと呼ばれる一周巻く巻き方でも強度は十分です。しかし、巻き方やノットの作り方を間違えてしまうヒューマンエラーが起きてしまうと、事故の原因になってしまいます。必ず降下前には荷重確認とダブルチェックが必要です。

 

そしてアンカーを選んだら、ロープをセットしていきます。そしてメインロープには万が一のために写真のようにバックアップを取ります。ウェビング以外にもアンカーにロープがまかれているのが見てわかると思います。

 

〇アンカーの荷重分散

もし梯子、手すり、丸環など強度に不安があるものをアンカーにするときは荷重分散を施します。

この際に90度ルールというものが存在します。荷重の分散の角度を90度以上にしてはいけないというルールです。

 

2か所に荷重分散する場合、片方のアンカーにかかる荷重の数字を示すと以下のようになります。

①8度→50パーセント

②60度→58パーセント

③90度→71パーセント

④120度→100パーセント

 

角度を90度以上にしてしまった場合は、荷重分散している意味がなくなってしまい、120度を超えると100パーセント以上の荷重がかかるのでむしろ危険になってしまいます。

 

〇まとめ

ロープでの高所作業を安全に行うためには降下する前のロープの設置で決まるといっても過言ではありません。安全なアンカーを選んで事故の内容に作業していきたいですね!