外壁打診点検とアサップビレイ

今回は私たちが使っているビレイ用器具「アサップ」について説明します。

 

〇ビレイとは

私たちがロープを使って高所で打診点検を行うときは2本のロープを使用します。ひとつは私たちの体重を支えるメインロープです。IDという下降器を使って体を支えます。こちらのメインロープに人間の荷重が100パーセントかかります。もうひとつはビレイロープといいます。もしメインロープが切れてしまったり、何かの事態に備えて、ビレイロープを準備するということです。

 

メインロープにはIDという下降器を使用しています。紹介している記事があるのでよかったらそちらをどうぞ。

 

〇ビレイ用器具「アサップ」

これが私たちが普段使用しているビレイ用器具「アサップ」です。

 

ロープにはこのように付けます。UPの印が上です。

 

メイン器具のIDは下降するとき自分での操作が必要ですが、アサップは操作が必要ありません。自動追尾機能が携わっており、ユーザーの動きに合わせて、上下に勝手についてきてくれます。

 

耐荷重は約250キロあり、大人2人分と考えられています。もし誰か1人を助けなければならないときに2人分の荷重を乗せても問題なく、そのような状況でも頼りになる存在です。

 

もし、メインロープが切れてしまい、ビレイロープに荷重がかかってしまったときにはアサップのロック機能が作動します。車のシートベルトをイメージするとわかりやすいかもしれません。突然の衝撃でロックがかかってしまうということです。これは、内部にローラーが入っており、素早い動きを遠心力で感知するとロックがかかる仕組みです。

 

アサップにはショッカーブソーバーがついています。真ん中の黒い筒状のところです。もし落下してしまったときの衝撃吸収に役立ちます。

 

lock機能も備わっています。ロックをかけると上にも下にも動かなくなります。普段使用することあまりないですが、風が強くロープが揺れるときにロック機能をかけるとロープが安定します。

 

そして基本的にアサップを取り付けるのはフルハーネスの胸元です。

 

写真を見ると胸元にアサップ、腰元にIDがついています。

 

もしアサップロックが作動したときに胸元にアサップがある方が落下距離が短いので衝撃が少ないのと、落下後の釣り下がっているときの姿勢が胸元にある方が楽だからです。

 

〇まとめ

アサップはもし何かがあった時最後に助けてくれる頼りになる存在ですが、普段私たちはアサップに頼らないように仕事をしています。メインロープがもし切れてしまったらアサップが作動しますが、一番大事なことはメインロープを切らないようにロープをセットすることです。アサップロックが作動してしまうことは事故が起きてしまっていることと同じ意味になってしまいます。事故なく安全に作業していきたいですね。