打診調査の頻度
外壁は年数を追うごとに劣化や損傷を追うことは大きな問題となります。
大きな事故事例として北九州でタイル幅9m×高さ5mのタイルが31m下に落下し死者を出した事例が出ています。異常状態を見逃してしまうと大きな事故につながってしまうかもしれません。では未然に防ぐにはどれくらいの年数で外壁打診調査は必要なのでしょうか。
まず外壁の打診調査の頻度は建物の種類や状態地域の気候条件、外壁材料の種類などによって異なります。以下は一般的な目安ですが、具体的な建物によっては異なる可能性があります。
5年ごと
特殊建造物の状態が良好であり特に問題がない場合でも5年以上の長期間をおいて外壁調査を実施することがあるかもしれません。気候条件や建物の使用状況が激しく変化する場合は、より頻繁な調査が必要とされることがあります。
では建造物の目安となる「良好な状態」はどのように判断すればよろしいのでしょうか?
特殊建造物が「良好な状態」であるかどうかは建物の目的や設計、使用状況、築年数などによって変化します。一般的な指標として以下の点が挙げられます
構造の安定性
特殊建造物はその構造が安定しており耐力構造が設計どおり機能していることが重要です。建物が傾いたり構造的な欠陥が見られないことが良好な状態の一因となります。
外観の状態
外壁、屋根、窓、ドアなどの外部要素が優れた状態であることが重要です。外壁がクラックや亀裂がなくペンキやコーティングが劣化していないことが含まれます。
建材の耐久性
特殊建造物に使用されている建材が耐久性があり、設計寿命を超えた劣化が見られないことが重要です。これには金属、コンクリート、木材などの素材が含まれます。
・使用条件と気象条件の影響
使用条件と気象条件は特殊建造物の耐久性や安全性に与える影響は大きな要因の一つです。建物に及ぼす影響をいくつか挙げていきます。
・使用条件の影響
重い荷重や振動
特殊建造物が機械や設備を収容している場合重い荷重や振動が建物に亀裂や変形を引き起こす可能性があります。
薬品や化学物質の影響
工場や化学プラントなどで使用される特殊建造物では薬品や化学物質が建材が劣化を引き起こす可能性があります。
定期的なメンテナンスの欠如
使用状況が激しい場合でも定期的なメンテナンスが怠られると損傷が蓄積しやすくなります。
変更や拡張工事
建物の使用状況が変更されたり拡張工事が行われる場合元の設計との適合性や構造の安定性に影響を与える可能性があります。
・気象条件の影響
極端な気温変化
高温や低温の急激な変化は建材や構造体にストレスをかけ膨張や収縮を引き起こす可能性があります。
風や風雨
強風や激しい雨や台風などの自然災害が外壁や屋根に負荷をかけ損傷を引き起こす可能性があります。
紫外線
長期間の日光にさらされることで建材や外壁の表面が劣化し色あせやクラックが生じる可能性があります。
降雪と解氷
寒冷地域では降雪や凍結・解凍サイクルが外壁や屋根に影響を与え損傷を引き起こす可能性があります
これらの要因を考慮して特殊建造物の所有者や管理者は適切なメンテナンスプログラムや定期的な検査を計画し外部からの影響に対処するための対策を講じることが重要です。
特殊建造物の外壁打診調査を行う必要な頻度は10年に一度
特殊建造物の外壁打診調査の頻度は一般的なガイドラインとしては10年に一度が推奨されることがありますがこれはあくまで目安であり具体的な建物や状況によって変動します。建物の種類、使用状況、地域の気象条件材などの要因が影響を与え最適な調査頻度は異なる可能性があります。
また特殊建造物に該当するものは建築基準法によって10年に一度の全面打診調査が必要と定められています。
特殊建造物の中には学校、病院、劇場、百貨店などが含まれ安全性の確保が定められており2~3年に肉眼や双眼鏡を使い外観の監査や手の届く範囲で打診点検「目視及び部分打診調査」が必要な場合もあります。このように外壁打診調査の頻度は建物の種類や状態によって異なります。